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2011年7月 1日 (金)

川崎市議会決議(2011年3月)、中学校給食の実施

3月議会において、議会は市長に対して全会一致で『中学校給食の実施』を決議した。川崎市議会としては画期的である。昨年度、『川崎駅北口の早期設置』を決議した。対象はJR東日本である。もちろん、市はそれを推進する立場であるが、実施の主体ではない。この4年間では初めて、3期目の阿部市政にとっても初めて…更に、川崎市にとっても…かもしれない。

画期的なことであるとはいえ、単なる決議であることは確かだ。行政に対して拘束力があるわけではない。二元代表制としての首長と議会の関係では、阿部市長は、蚊に刺された程度のことかもしれない。
しかし、議会基本条例第7条第3項には、「市長等は、…予算調製にあたっては、…決議に含まれる議会の政策提言の趣旨を尊重する」との規定がある。拘束力まではいかなくても尊重義務は発生している。

先ず、自治体の取組状況はどうだろうか。中学校給食は
全国自治体の中で、約80%で実施。
神奈川県下では、相模原市が昨年11月からデリバリー方式で実施、全部で7市実施。
16%で全国の下から2番目、横浜市と川崎市が足を引っ張る
全国最下位は大阪府8%、しかし、ここも完全実施へ動き出す。
大阪市も検討中、実施されれば、一気に、90%程度、神奈川が最下位。

川崎市
10年前に、各区からモデル校を選んで、試験的にデリバリ方式で実施。
その後、公費注入は打切り、給食ではなく、ランチサービスになる。
給食とランチサービスは違う!これが現状。

この4年間、保育人員は急増し、更に新保育計画が必要に。
今、小学校のにわか増築。当然、次は中学校。
 
これまで、中学校給食を積極的に推進する立場で活動してきたのは、公明党と共産党である。昨年度、6月定例会、共に会派代表質問の中に、この項目を取り上げた。その後、9月、12月は共産党が続けて質問をした。この間、自民党及び民主党は沈黙を守っていた。

3月、先の相模原市が政令指定市として実施したことに刺激されたのか、民主党が初めて会派代表質問に取り上げた。一方、公明党は、6月定例会のランチサービスに関する教育長答弁をフォローする形で、質問した。また、共産党も年間にわたって、連続で、全国状況を踏まえ、改めて実施を迫った。

一方、行政側の態度は、12月定例会、共産党代表質問に金井教育長が答えたように、『…中学校の昼食は…家庭からのお弁当を基本とし、これを補完する制度としてランチサービス事業を実施…』との“愛情弁当論”であった。

民主党・飯塚団長は、デリバリー方式による全中学校51校実施の場合、そのランニングコストを問い、
        6億6千万円との答弁を受けて、
『決して実現不可能な金額とは言えない。』『給食実施を目指す。』と、会派として態度を鮮明にした。

公明党・岩崎団長のアンケート調査結果に対する質問に、金井教育長は次のように、『…生徒へのアンケート調査を実施…95%の生徒が家庭からのお弁当を持参…平成19年度調査の85%と比較、10%増…』との結果を報告した。口には出さなかったが、弁当路線の正しさが追認されたとの立場である。
 これに対して岩崎議員は『…中学校の昼食時間が15分ぐらいと短く…』と指摘し、珍しく、教育委員会委員長の答弁を求め、『…食育の観点からも食事の時間を十分に活用することは大切なこと…』との答弁を引出した後、『…学校で給食を食べる、同じかまの飯を食いながら、心を開いて穏やかな時間が持てる中学校…』と、教育長の“愛情弁当論”に対抗する“同じ釜の飯論”を展開した。

上記のアンケート調査結果に対し、共産党・竹間団長は『…10%増はランチサービスを利用する生徒がいかに少なくなっているかをあらわす…』と教育長の分析に真っ向から反論し、『…現状のランチサービスの破綻が弁当に回帰した…』
と結論づけ、食育の視点も含めて給食の実施を迫った。

ところが、竹間議員の質問の対し、教育長は結果の報告だけでなく、その解釈から、更に次の施策にまで話を飛躍させた。おそらく、これが全会一致の伏線になったと思われる。

教育長は答弁を続け、
『…当時よりも家庭からのお弁当がより定着している…』、
『…今後は家庭での弁当づくりも、ソフト面のサポートなどを検討…』、
『…教育的効果の観点からも、中学校の昼食は家庭からのお弁当を基本…』、
『家庭での弁当づくりの手引を作成…弁当づくりをサポートする取組も行う…』、
と積極的な攻勢に出た。

しかし、これで“虎の尾”を踏んだ、のかもしれない。調査結果の解釈までなら、見解の相違である。しかし、他人の家の中に土足で踏み込むように、『弁当づくりのサポート』などと、役人が調査結果に舞い上がったかのように得々と述べるのには違和感をもった議員諸氏も多かったのではないだろうか。

この定例会後半の議員一般質問において、民主党、市川佳子議員がこの問題を取り上げた。先ず、調査結果の解釈を俎上にあげ、
『…95%が弁当持参…私が気になったのは、その他無回答という1.1%の生徒さん…この数字の中に昼御飯を食べられない欠食状態の生徒はいないのか?』

教育長が見向きもしなかった数値に俄然、意味がつきだした。設定された土俵に乗らずに、視点をずらしたのだ。
金井教育長『…昼食を欠食する生徒の実態は把握していません…欠食する生徒に
ついては、各学校で個々に対応…』
市川議員『…実態を把握していない…各学校で個々に対応という御答弁…逆に、そういう子がいるんじゃないのか…今回の調査では、コンビニおにぎりや菓子パン1個のお子さんがいても中身がわからない…』

新たな土俵を作り、次の議論へ進む。
『…私もけさ、高校1年生の娘のお弁当をつくって…しかし、ふだんは、余りに忙しく…主人がつくってくれて…愛情があっても、時間がなくて、つくれなかったり…手抜き弁当に…身をもって、罪悪感まで感じてしまう方はいっぱいいらっしゃる…これが実際の本音だと思います。』

愛情弁当論を正面から振りかざし、政策を正当化する教育長に対し、日頃、住民と接している議員として危機感を感じたのではないか。おそらく、自民党議員も例外ではないであろう。そんな実態論である。これが今回の決議の底流に流れ
る感情のように思われる。

決議は議会最終日の本会議に提出された。潮田議長は筋書とおり、各派共同提案であるとして、内容をその場で開示しないまま、採決した。
『お諮りいたします。ただいまの決議案は、いずれも各会派一致の提案…書記朗読等を省略し、直ちに起立により採決…御異議ありませんか。』

結局、自民党は中学校給食について、市民からみれば、意見等を公開の場で何も言わず、決議に賛成した。おそらく、決議の文面を作成する際には、何か意見を述べたと推察できるだけである。

また、決議だけに、具体性は乏しく、更に委員会での議論も必要であろう。財源についても、6億6千万円に対して、民主党の『決して実現不可能な金額とは言えない。』との言葉だけでは無責任のそしりも免れない。次年度予算案に組替動議を提出した共産党だけが、対案を示している状況である。

更に、市民に対して経緯も含めて報告するというスタンスも見えない。ここでも旧態依然としたスタイルを残したままである。これを一つの例として、議会報告会を開催する契機にしては、如何であろうか。

    

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