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2011年11月13日 (日)

議会改革での請願・陳情の「力」

1.問題の所在

議会改革に関する「陳情25号」を9月7日に川崎市議会へ提出した。

「議会改革の検討会は仕掛かり状態で中断しているだけだ。先ずはそれを再開すれば良いのだが…」、音無しの構えのため、トリガーをかけるべく、陳情を提出した。
提出と共に、会派を回って趣旨を説明し、議論するのだが、その時は全会派を回りきれず、延び延びになっていた会派をようやく回りきれた。

その間、「川崎市議会白書」を作成しながら、これまでの議会改革の経緯を振り返って、まとめ直してみると、表題に示すように、提出してきた「請願・陳情」がそれなりに「力」を発揮していることを再確認できた。
改めて認識を深めることができたのは、望外のことであり、自らの軌跡を整理する意味を強く感じた。そこから今回出した陳情の趣旨は、次回の定例会までに、何らかの形で実現することが想定できる。

2.「提出―議会の動き―審査」のサイクル

通常の請願・陳情は、行政側の施策との対応を考慮しながらも、できるだけ早期に審査へ入る。一方、議会に関しては、自らに跳ね返ってくるわけだから、取扱いは慎重になる。特に、議会改革は、運営方法から論議が始まるので、難しくなる。但し、市民サイドからみれば、当たり前のことを当たり前に実行すれば良いと思うのだが…。

ここで、その運営方法として、「基本条例策定での審議公開」、「条例制定後の改革具体化」、そして今回の「新議会での改革検討再開」について経緯を振り返る。

               請願・陳情提出 議会の動き 請願・陳情審査
1)「基本条例策定での審議公開」  H21/2/23  H21/6/17   H21/6/18
2)「条例制定後の改革具体化」   H21/9/07  H22/1/27   H22/2/26
3)「新議会での改革検討再開」   H22/9/07  H22/11/e   H22/12/e

1)、2)の経緯は「提出―議会の動き―審査」のパターンを踏んでいる。1)は「基本条例採択」のあとに、審査(結果は継続審査)された。また、2)は、「議長から諮問」を受けて、改革具体化の議論が始められ、そのあとに、審査(結果は継続審査)された。

運営方法ではなく、具体的な改革案の場合はどうだろうか。請願・陳情の中で唯一の実行項目「傍聴者への資料提供」は同じパターンであることに気が付く。

               請願・陳情提出 議会の動き 請願・陳情審査
4)「傍聴者への資料提供」     H21/2/22  H21/4/23   H21/5/21

議題として検討が始められたのは、陳情提出のあとであり、一方、陳情審査は他の項目も含まれていたため、結果は継続審査になった。しかし、本項目だけは、8月末に試行を決定している。

以上のことから、今回の「新議会での改革検討再開」は12月定例会開始の前後に、陳情の趣旨に沿った動きがあり、その後、審査が行われると想定できる。

3.「力」の働く方向~「ベクトルの方向性」が合う~

上記の例で、2)、4)は請願・陳情の一部が実現されたことが判る。これは、議会として実施の方向を向いていたからであり、白紙あるいは反対であるものを請願・陳情によって実現させたわけではない。議会も請願・陳情の趣旨に沿った内容を持っていたことは確かである。その意味で、「ベクトルの方向」が合うことがポイントになる。
ベクトルには、方向、大きさ、起点の三点が要素としてある。数学的には方向、大きさの一致で良いが、現実の座標の上に載せるには、起点も同じになることによって、完全一致になる。しかし、先ずは「方向」が問題になる。それも一致ではなくても「方向性」があっていれば、先へ進むことができる。多少の角度の違いは、調整可能である。ここが「数学的世界」と「現実世界」との違いになる。

次は「大きさ」であろう。
改革に対する議会のベクトルは短く、小さい。特に既存のことを変える点については、否定的な意見が議員のなかであれば、それに合わせて議員全員が呉越同舟になりがちである。しかし、請願・陳情の願意のベクトルは大きい。

更に、請願・陳情の提出者の「起点」は同じである。毛利元就の「三本の矢」に匹敵すると言って良い。方向・起点の一致で、かつ、長さが大であることが「力」を生む。そこで、集団として小さなベクトルの集まりである議会を牽引する。

具体的に現れるのは、「議会の動き」を加速させることである。
2)「改革具体化」の論議は、議会基本条例制定後、直ちに開始されても良いはずである。しかし、開始されたのは4ヶ月後である。9月の請願提出がなければ、更に延びている可能性が大である。
4)「傍聴者への資料提供」は、H19/9に要望書を出している。「石の上にも3年」で実現されたのはH22/2の陳情提出がトリガーになっていると考える。

これに対して1)は基本条例成立までは「非公開」での実施を変える気は全くなく、それを貫徹している。では、請願の効果はなかったか。そうとも言い切れない。「公開」を主張した共産党の後押しはでき、それ以降の議会改革の論議では、見えない形であっても抑止力として働いたと考える。

今回の陳情の内容は、選挙後の5月臨時会において、決定されていても良かったはずである。震災の影響を理由に検討を先延ばしにしており、9月の陳情がなければ、いつ再開されるのか、判らない状況であった。

以上に述べたように、先手をとって住民の意思を示すことが、現実には「議会」の背中を押すことになる。特に今回は、各会派が公約として掲げたことを実施へ向けて検討を求めている。議会として自ら行う必要がある。

第158号2011/4/23「議会改革の選挙公約を検証・評価~完全実施すれば…」
http://archive.mag2.com/0000219072/20110423225000000.html

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