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2012年4月 6日 (金)

横浜市の独立による経済効果5億円を横浜市の研究会・市議会が検証した形跡がない

一昨日の記事で黒岩県知事が、「横浜市の独立による経済効果を約4兆9千億円と試算した」横浜市大都市自治研究会の第1次提言について、「前提条件が全く不明で、大きな疑問がある。」と述べたことに触れた。

これは降って湧いたような数値であることは筆者も感じた。これまでの議論の中には出てこなかっらからだ。

ここで横浜市における大都市制度の検討には以下の経緯がある。

1)横浜市大都市制度検討委員会
  平成19年6月ー21年1月、最終報告「新たな大都市制度創設の提案」

2)横浜市政策局大都市制度推進室・横浜市会
  平成21年9月ー22年5月、「新たな大都市制度創設の基本的考え方」

3)横浜市大都市自治研究会
  平成23年8月ー24年3月、「横浜市大都市自治研究会 第1次提言」

このなかで大都市制度の導入による経済効果を述べたのは2)である。
報告書を読むと『出展:野村総研「大都市制度創設に伴う経済効果試算等業務委託」』 と出ている。

更に今回の「自治研究会 第1次提言」では、これも『2012年 野村総研』から引用されている。但し、出典は記載されていない。 2)の報告が平成22年であるから、そこに書かれている出典とは異なる。

ここからは推測であるが、慌てて野村総研に再試算を依頼して得られたデータではないか。なぜ“慌てて”であるかと言えば、「自治研究会」の議事録には全く触れられていないからである。提言発表直前の第7回の議事録は公開されていないが、それまでの公開文書からは研究会のなかで議論された形跡は全くない。

また、2)と3)との数値には違いがある。加えて、横浜市会からも積極的な発言もみられない。

今回の発表でも

「…経済効果が発生するとの推計があり、この推定に基づけば…
…が見込まれるとの試算もある。」
と書かれている。

推計とそれに基づく試算である。
推計には、状況に対する“仮説”と数値計算上の“仮定”が必須である。

問題はこの“仮説”“仮定”を明らかにしていない点である。例えば、地方自治体の地下鉄建設などによる採算予測はいずこも大幅な狂いがあり、ほとんどが大幅な赤字になるのが常である。

経済効果なるものも同じと考えるのが常識であろう。そこで大切なことは反論が可能になるように、具体的な5兆円という数値と共に“仮説”“仮定”を明示することである。

それがないということは、推定試算を検証せずに流用しているだけであり、
無責任な提言と言われてもしかたがない。

       

       

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