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2013年7月13日 (土)

社会システムとしての情報の循環~小平市の住民投票はモデルになるか?

先日の記事で日経新聞の報道姿勢に疑問を提示した。選挙期間、中期的な課題ではなく、世相の上っ面を撫でる様な消費動向をもって、現政権の経済政策を持ち上げる内容であったからだ。それはあくまで一つの結果に過ぎない。

これは如何なる情報を誰が、どの様に開示し、更に重要なことは、それが社会の中を「循環」し、「賞味」され、議論される中で「編集」され、それを基に有権者が判断する社会システムの問題である。

この社会システムは明示的に組織化されるものではない。日ごろの関心と情報取得の方法、その評価・検証を行う個人、あるいは小さなグループ、更にそれらの交流が行われていくうちに、少しずつ積み上げて、作られる見えないネットワークである。政治学の基概概念でいう“制度”である。

このような“情報の循環”があって、始めて政治状況の認識が深まり、それに基づく、相対的に優れた判断が生まれると思う。このような基盤を構成した社会が、電子媒体による瞬時、大量な情報流通の中でも安定した判断ができるだろう。

そこで、具体例として、先の小平市での道路建設に関する住民投票を考えてみる。この案件は、1963年に都市計画決定された都道整備計画のうち、整備を後回しにした小平市内を通る約1.4kmの区間・幅36mの幹線道路について「住民参加により見直す」か「見直しは必要ない」のいずれかを選択する内容だった。

この件はについて、投票総数が有権者の35.1%、規定の50%に未達のため、開票せずの結果になり、それを巡っての「陰謀説」について砂原准教授とツイッター上で意見交換した。また、住民投票条例における意思決定の問題も指摘した。

『投票成立要件と投票結果の効力130604』
http://blog.goo.ne.jp/goalhunter_1948/e/48096278d8f7f957148e4f8b0b8f54a1
『実証研究は「陰謀説」を捉えられるか130603』
http://blog.goo.ne.jp/goalhunter_1948/e/1e0e6ed25fd1e0dd7da8f08280d3f819

しかし、現時点での問題は、最初に戻って、如何なる情報を誰が開示したのかに関する検証を行うことだ。何故なら、多くの一般に市民にとって、具体的に一本の道路ができることに関心を寄せることが難しいからだ。

小平市の人口は14万5千人、直接請求の必要な署名人が3千百人、実際の署名は7千人、投票は5万1千人(35.1%)だ。尤も、その前(4/7)に行われた小平市長選挙の投票率は前回を下回る37.2%であったから、市民の市政に対する関心は、こんなものなのだ。

署名を集める主体となった会(小平都市計画道路に住民の意思を反映させる会)は自らの主張を展開したが、それでも説明会、ビラ配り、ネット情報で、概要を伝えるだけであろう。
 http://jumintohyo.wordpress.com/

それに対して市側は、道路建設の責任は自分たちではないとの立場で、積極的な情報提示はなかったようだ。僅かに、概要と東京都の該当記事(府中所沢線)にリンクを張っただけである。
 http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/kitakita/kodaira328/

そこで問題になるのは小平市議会である。条例審議のための委員会を設置しているのは当然であるが、住民投票を意思決定すると共に市民への情報提供をする任務を設定しなかったのだろうか。
 http://www.city.kodaira.tokyo.jp/gikai/index.html

また、市民の中から、賛否に関わらず、色々な角度からの検討結果をまとめ、争点・論点・課題を市民に対して提示する主体的浮動層としての市民は、出てこなかったのだろうか。例えば、議会ウォッチャーの「政治知りたい・確かめ隊」は市民団体として対応しただろうか。
 http://www.kodaira-net.jp/seijishiritai/

今回の参院選挙からネット解禁になったが、玉石混淆、圧倒的に「石」が多であろう、そのネット情報に晒される中で、私たちは如何なる方法で政治事象を判断するのか?その問いに対して、議会、主体的浮動層の市民の役割は?
この問いの中に現代の市民社会の問題が潜んでいるように思われる。

(同時投稿) ブログ『散歩から探検へ~政治を動かすもの』
http://blog.goo.ne.jp/goalhunter_1948/

 

 

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